キャンペーン概要

SDGsのゴール4(教育目標)を達成するための世界規模のキャンペーン!

「SDG4(エス・ディ・ジー・フォー)教育キャンペーン」は、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール4(教育目標)を達成するための世界規模のキャンペーンです。

現在、世界の子どもの2億5,900万人が小中高校に通えていません。また、読み書きができない大人は7億3,000万人も存在し、うち6割は女性です*1。新型コロナウイルス(COVID-19)による学校閉鎖のため、ピーク時には約15憶人の子ども・若者が就学の機会を奪われました*2。日本においても、小中学校に行っていない外国籍の子どもは2万人、小中高校における不登校の子どもは23万人もいます*3。また、日本語の読み書きが不自由な大人もいます。

こうした事実を背景に、2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs/エス・ディー・ジーズ)では、2030年までにすべての子どもが質の高い就学前教育、初等教育、中等教育を受け、大人の識字率も大幅に改善することが新たな目標(ゴール4)として掲げられました。
日本でも2016年12月に全省庁の参加により「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」が設立され、実施指針が策定され、SDGs達成のために積極的に取り組むことが表明されています。

SDG4(教育目標)においては、毎年4月に、市民の声を政府へ届け、政策に反映することを目的とするグローバル・キャンペーン(GAWE: Global Action Week for Education)が世界100カ国以上で実施されています。教育分野の国際協力NGO20団体の連合体である「教育協力NGOネットワーク(JNNE)」は、日本において「SDG4教育キャンペーン」(旧:「世界一大きな授業」キャンペーン)を実施してきました。

2003年の開始時より延べ58万人以上が参加し、2021年は3,896名の子ども・ユース・市民が参加しました。
2022年は、4月下旬に、世界中のNGOや教職員たちのネットワークを通じて、世界100か国で一斉にキャンペーンが開催されます。COVID-19の影響により「世界の教育分野のこの20年間の前進は帳消しになった」ともいわれています*4。そんな今だからこそ、SDG4達成のための政策を実現するために、みんなの声を国会議員と日本政府に届けましょう!

*1 GEM report2021/2022 *2 UNICEF *3 文科省(外国籍の子ども不登校等の児童・生徒) *4 SDGs報告2021(UNIC)

公明党の国会議員と子ども・ユースの面談(2021年)

SDG4(教育目標)とは

ゴール4では、「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」という目標が掲げられ、2030年までに達成すると世界の国々が合意しました。

教育はそれ自体が権利であるとともに、SDGsに掲げられたその他の目標を達成するためにも必要不可欠なものです。
原文は、ちょっと難しい言葉で書かれているため、やさしい言葉でゴール4を表現してみました。補足資料としてご利用ください。

2030年までに

4.1小学校~高校段階の教育を、男の子も女の子も分けへだてなく、無料で、学んだ成果が出るように、質の高い教育を受けることができるようにします。
※教育を受ける環境や使用する教材、教える教員、授業内容が十分に充実している教育のこと
4.2赤ちゃんや幼い子どもが、男の子も女の子も分けへだてなく、きちんとした保育や教育を受け、小学校へ通う準備ができるようにします。
4.3専門学校や職業訓練校、大学などに進学する権利を、男の子も女の子も分けへだてなく、みんなが平等に持つことができるようにします。
4.4生きがいを持って働くことのできる仕事や、自分で事業をおこすために必要な専門技術や資格を身に付けた若者や大人を増やします。
4.5教育の中での性別による格差をなくします。障害者、先住民族、(暴力などの)こわい思いをしている子どもなど、社会のなかで弱い立場にいるすべての人が、他の人と同じように、あらゆる教育や働くための訓練に参加できるようにします。
4.6すべての若者と大人が、読み書き、基本的な計算ができるようにします。
4.7学びたいと思うすべての人が、「世界にいま暮らしているすべての人と将来の世代の人がともに豊かに暮らす社会をつくる(持続可能な開発)」ために、必要な知識や方法を身に付けることができるようにします。そのために、持続可能な開発のための教育(ESD)、持続可能な暮らしかた、人権、男女の平等、平和と非暴力の推進、グローバル・シチズンシップ(地球市民教育)、文化の多様性と文化が果たす役割などの教育にも力を入れていきます。
4.a子ども、障害、およびジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにします。
4.b2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国およびその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させます。
4.c2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、資格を持つ教員の数を大幅に増加させます。
共産党の国会議員と子ども・ユース代表の面談(2021年)

延べ58万人以上が参加しているキャンペーン!

2003年に全国約30か所・614人の参加から始まったキャンペーンには、17年間で延べ58万人以上が参加し、世界と日本の教育の現状について学び、より良い政策を求めて声をあげてきました。

2021「SDG4教育キャンペーン」2年目
(3,896名の子ども・ユース・市民が参加)
実施報告
2020「SDG4教育キャンペーン」として再スタート
(2,559名の子ども・ユース・市民が参加)
実施報告
2019「世界一大きな授業」教育は、わたしの権利
(622校・グループ、49,294人が参加)
2018「世界一大きな授業」質の高い教育をみんなに!
(583校・グループ、51,188人が参加)
2017「世界一大きな授業」質の高い教育をみんなに
(506校・グループ、43,493人が参加)
2016「世界一大きな授業」すべての子どもに教育を。一本のペンが世界を変える。
(764校・グループ、56,267人が参加)
2015「世界一大きな授業」すべての子どもに教育を。一本のペンが世界を変える。
(780校・グループ、72,463人が参加)
2014「世界一大きな授業」すべての子どもに教育を。みんなが動けば世界が変わる。
(716団体・69,151人が参加)
2013「世界一大きな授業」すべての子どもに教育を。みんなが動けば世界が変わる。
(684校・グループ、59,116人が参加)
2012「世界一大きな授業」震災から見えてきた教育の大切さ
(502校・グループ、55,771 人が参加)
2011「世界一大きな授業」女の子と女性の教育
(270校・グループ、35,371人が参加)
2010「世界一大きな授業」ゴールはひとつ!世界中の子どもに教育を
(351校・グループ、41,940人が参加)
2009「世界一大きな授業」世界の子どもたちと「読み書き」について考えよう!
(152校・グループ、19,683人が参加)
2008「世界一大きな授業」でギネスに挑戦!
(214校・グループ、25,838人が参加)
2007教育の権利をみんなの手に!「世界一長い人間の鎖」
(1,071人が「人間の鎖」に参加)
2006「全ての子どもに先生を」キャンペーン
(ウェブ講座の開催)
2005「学校へ友だちを送ろう」キャンペーン
(「おともだちパネルコンテスト」に46点が集まる)
2004世界一大きな政治家への働きかけ
(子ども国会に約100人が参加)
2003「世界一大きな授業」女の子の教育
(約30か所・614人が参加)
立憲民主党の国会議員と子ども・ユース代表の面談(2021年7月)

Raise Your Voice!(声をあげよう)

ゴール4で目指している「質の高い教育をみんなに」を実現するためには、個人や民間団体による寄付や支援プロジェクトも大切ですが、より重要なのは、国が教育に予算を充て、教員を養成し、質の良い、公平な教育の環境を整える「政策」を改善することです。

途上国政府は、教育予算を増やすよう努力すること。日本も含む援助国は、教育援助-特に初等教育や女子教育、低所得国、紛争地域への援助を重視すること。そういった「政策」を実現させるためには、市民から、世界や国のリーダーたちに意見を述べ、提言することがとても大切です。

女子教育の重要性を訴え、2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんも映画『わたしはマララ』のエンドロールで「Raise Your Voice!(声をあげよう)」と呼びかけています。各地でリーダーたちに会い、「すべての子どもに教育を」と対話を重ねるマララさんのように、わたしたちも声をあげることができます。