日本では684校5万9116人が参加

2013年の「世界一大きな授業」には、47都道府県の684校・グループ、59,116人が参加。世界中の子どもたちが教育を受けられることを目指し4月15日(月)から5月12日(日)にかけて実施されました。全国各地の学校で授業が行われるほか、国会議員が「生徒」、中高校生が「先生」となり、途上国の教育の現状や教育援助の不足について学ぶ授業も実施され、教育協力NGOネットワークから日本政府にむけた提言も行いました。

参加者から寄せられた感想

  • 私達は、日本に住んでいるからといって、外国のことを知らなすぎだと思いました。もっと外国の現状を知って、助け合いが大切だと思うので、もっと知りたいと思いました。(群馬県立伊勢崎興陽高等学校、群馬県)
  • 世界では、戦争や病気などで苦しんでいる子がいるのを知りました。このような現状を知って悲しかったです。私たちでは大きな力になることはできないけど、少しでもいいからやれることは助けてあげられたらいいなと思いました。(国際学院中学校、埼玉県)
  • 「世界一大きな授業」というタイトルだけ聞いて、最初は何をやるのだろうと思っていた。けれど、実際に授業を受けてみて、国際の問題の実情を知ることができ、また、今まで向き合うことのなかった問題に触れることができた。みんなが知っているようで知らない国際の実情をこの授業を通してもっと多くの人に知って欲しいと思った。「世界一大きな授業」を全国的にやるべきだと考える。(筑波大学附属坂戸高等学校「Global Studies」、埼玉県)

2013年の世界の参加者の感想もっと見たいかたはこちら。


小学生 月島第一小学校


中学生 国際学院中学校


高校生 江南義塾盛岡高等学校

全都道府県の学校が参加


↑上の地図をクリックすると各県ごとの人数をご覧になれます。

小・中・高校を中心に参加

参加した先生・子どもたちの声

私立武蔵野東小学校と東京学芸大学附属国際中等教育学校に取材をさせていただきました。

私立武蔵野東小学校

参加人数:5,6年生 146人参加
授業実施:2013年4月24日(水)1時間目 8時50分~9時35分

写真

「世界一大きな授業」は今年で4回目の参加になる武蔵野東小学校へうかがいました。今回の授業は、5,6年生が合同で授業を実施しました。まずは、世界の教育の状況を知る4択クイズでアイスブレイクします。各クラスで多数決をとりながら、クイズの答えを考えていきました。
授業の所々で、メディアが取り上げている時事的話題を紹介。「世界一大きな授業」を通じて知ることができた世界の教育の現状は、メディアが報道することは少ないが、考えるべき問題であることを伝えていました。

世界のお金の使い道をリボンの長さに換算したアクティビティでは、学校に行けない子どもたちが学校に通えるために必要な援助額と世界の軍事費の長さの違いに教室が沸き、生徒からは「軍事費を教育費に回したほうがよい」「多額のお金を戦争に使うことは平和につながらない」といった発言がありました。

写真
軍事費の多さにびっくり!

写真
積極的に発言する生徒

先生からのコメント

写真
竹内 佳子先生

武蔵野東小学校では、こころ(道徳)と総合の時間(週1時間)に開発教育、環境教育などを実施しています。「世界一大きな授業」もこのこころと総合の時間を使って実施しました。今回、6年生は2回目の参加になるので、楽しみにしていた生徒も多かったです。時事問題を絡めながら授業を進めましたが、世界の教育の現状を含め、メディアでは多く報道されない事実があるということを常に考えて欲しいと願っています。小学生ですから、すぐにこの授業が生きて、目に見える成果になることは少ないかもしれません。しかし、この「世界一大きな授業」をきっかけに、途上国の現状について考えられる生徒が少しでもいてくれたらよいと考えています。

東京学芸大学附属国際中等教育学校

参加人数:1~3年生 21人参加
授業実施:2013年4月30日(火)放課後 16時30分~18時30分

東京学芸大学附属国際中等教育学校は、中高一貫教育を行う6年制の学校です。この学校が「世界一大きな授業」を実施するのは、今年で2回目です。前回は、藤木正史先生が授業を担当しましたが、今年はその時の生徒役であった佐奈あすかさん(5年生)が授業をすることになりました。

「世界一大きな授業」には参加したい生徒を募り、前期課程(中学校段階)1~3年生の21人が参加してくれました。特に理由はないとのことでしたが、参加者は全員女の子でした。女の子のほうが、途上国の問題に関心が強いということかもしれません。まだ入学したばかりの1年生は、初対面の生徒たちが多く、まずは自己紹介をしながら4択クイズで友好を深めているようでした。

写真
識字アクティビティで、誤ってねずみ用の毒(食塩水)を飲んでしまったシーン

識字のアクティビティを通して、読み書きのできない7億7,500万人の成人のうち、3分の2は女性である事実を知り、「そんなぁー!」と素直に憤りの声を上げる生徒もいました。

マララ・ユスフザイさんのストーリーを読んで、気付いたことを共有するアクティビティでは、「同じ地球に住む、同じ女性であってもこんなにも環境が違うところで生活している人がいることを知り驚いた」、「自分と同じ年齢なのに、国連を動かしたり、基金を立ち上げてしまったりする行動力の大きさにワクワクした」といった発言が目立ち、途上国の女の子のことをより身近に感じることができたようでした。

写真

写真

最後は安倍総理に政策提言をするために「ダイヤモンド・ランキング」に挑戦しました。
この授業を通して、生徒のみなさんは何か行動に起こしたいという気持ちが強くなったようです。世界の教育の現状を改善させるために「大切だ」と思うことは、「政治家に働きかけたい」、「NGOなどに寄付をしたい」、「マスメディアにうったえたい」といった行動的なものが上位を占めました。「政治家に働きかける」ことは難しくてできないといった意見も半数ほどありましたが、「世界一大きな授業」事務局を通して生徒たちの声を政府に届けることができることを知り、驚きとともに喜びを感じているようでした。

写真
佐奈 あすかさん
(授業ファシリテーター担当)

前回は、生徒側でサブファシリテーターとして授業に参加し、みんなの意見をまとめていました。以前からボランティア活動などを通して、途上国の問題にも興味を持っていました。また、幼稚園の先生になることが夢で、人前に立って進行することや、みんなから意見を吸い上げてまとめる役目であるファシリテーターに関心もあったので、今回の「世界一大きな授業」でファシリテーターに志願しました。「世界一大きな授業」事務局が用意した授業案をもとに、1週間ほどかけて、当日の授業のシナリオや授業用の台本、パワーポイントを作りました。この授業から、後輩たちが自分たちでできることについて考えてもらえれば嬉しく思います。

写真
藤木 正史先生

東京学芸大学附属国際中等教育学校には、人間理解、国際理解、理数探究を軸とした独自の科目『国際教養』があります。そうした授業カリキュラムがある学校だから、「世界一大きな授業」についても関心のある生徒が多いのかもしれません。これからの世の中は、自己主張を強くしていく人材よりも、多くの意見を調整し、一つの総意を組み立てていけるファシリテーターとしての能力が高い人材がより貴重になっていくと考えています。そうしたファシリテーションの技術や国際的な感覚を生徒たちのような若い世代が身に付けていくために、「世界一大きな授業」という機会を活用しています。

世界中の子どもたちも参加しています

世界でも100か国以上の子どもたちと先生が参加。さまざまな授業やイベントが行われました。

ナイジェリアでは「すべての子どもに先生を!」というGAWのスローガンに基づき、3つの地域と首都アブジャで様々なイベントが催され、教育省関係者、教師や子ども100人を含む300人が、教育省やテレビ局、教会やモスクを回りながら行進し、教師の必要性について訴えました。

ウクライナでは学校や図書館、地域コミュニティ、大学などでこのテーマに沿った授業が行われました。小さな子どもたちは今この時代において先生がどれだけ重要なのかを現す絵を描きました。高校生は、インターネットを通じた顔の見えない授業の可能性も探られるこの時代に、先生がなぜ大切なのか、というテーマで今後エッセイを書きます。

2013年の世界の参加者の感想もっと見たいかたはこちら。