実施報告

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実施報告書・参加証明書・収支決算報告書・教材


参加証明書(PDF315KB)

今年の参加証明書はこちらからダウンロードしてください。生徒一人ひとりに配布する場合は、お手数ですがコピーしてお使い下さい。

メディア掲載

阿部政務官からのメッセージ

○高校生達からの提言を受けて、日本政府を代表し阿部俊子外務大臣政務官からご挨拶を頂きました。

本日は、本サイドイベントにお招き頂きまして、誠にありがとうございます。先日行われました国会議員のための「世界一大きな授業」には、私も参加させて頂きました。

国会議員が生徒として参加するイベントは、教育がいかに大切かを実感できる大変貴重な授業でございました。準備を頂きました高校生の皆様にあらためてお礼を申し上げます。

皆さんと同じように、世界の教育の現状について真剣に考えておられる、全国の小学校、中学校そして高等学校の若い方々から、世界中の子どもたちが教育を受けられるようにとのメッセージをただいま頂きました。また、アフリカの代表の方からも、女子教育の現状と課題について教えて頂きました。

教育への支援を強化すべきという、皆さんの若い方々からの声、そしてアフリカからの声をしっかり受け止めてまいります。国づくりは人づくりであります。人づくりには教育が必要であります。わが国は、人間の安全保障を推進するために不可欠な分野として、教育分野における支援を重視しているところであります。また、基礎教育については、新教育協力政策において、重点分野にも掲げております。日本政府、学校、コミュニティ、行政が一体となって、この学習環境を改善するモデル、School for Allに沿って、学校施設の整備、学校運営支援を行って、また包括的な学習環境支援を通じて基礎教育支援を推進しています。

また、本サイドイベントのテーマにもなっております女子教育は、きわめて重要なテーマでございまして、子どもたちを生み育てる女性が活躍する国は大きくなっていくことができる。また女性が社会の主役として活躍するために、女子に対する教育は本当に不可欠であります。

このTICAD Vでも女性に焦点を当てているところであります。貧困から抜け出すために、教育が必要であります。日本はODAをはじめとする国際貢献に着実に取り組んでまいります。そして教育協力に関しましては、豊富な経験と知識を有するNGOなど関係者のご協力も得ながら、連携して進めることが重要であり、引き続きご協力をお願いしたいと思っております。日本のこれからを担う皆さん方、世界を担う若者たちと一緒にがんばってまいりましょう。今日はありがとうございました。

アフリカ開発会議でシンポジウムを実施


会場は満員御礼!

経済成長著しいアフリカの将来をめぐって日本政府、アフリカ各国の首脳、国際機関、民間企業、NGOが一同に会する第5回アフリカ開発会議(以下、TICAD V)の全体会合が6月1日から3日までの間、横浜で開催されました。1993年以降,日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)及び世界銀行等と共同で開催。アフリカの開発をテーマとする国際会議です。TICADの会期中には、アフリカ各国の閣僚が参加する本会合のほかに、NGOによるサイドイベントも実施されました。

6月1日(土)には、公式サイドイベントとしてシンポジウム「アフリカの女子教育と教育協力における日本の役割」を開催し、アフリカの女子教育の現状と課題、そして日本の援助政策のあり方について問題提起を行ないました。「世界一大きな授業」の事務局を担当するプラン・ジャパンとの共催で開催したこのシンポジウムには、立ち見を含む187名もの方々が参加し、関心の高さを伺わせました。

「女子教育」に焦点を当てたシンポジウム

アフリカの多くの国々では、国全体としては高い経済成長を記録していても、その恩恵は貧困層にまで行き届いていません。そこでシンポジウムでは、「成長の基盤には、教育が不可欠」との考えのもと、特に困難な状況が続くアフリカの女子教育の現状と課題をジンバブエの事例をもとに取上げ、さらに教育支援を重視するよう求める、日本の援助政策への提言を行ないました。

ジンバブエの教育の現状とは


女の子の厳しい状況を訴えるティノテンダ氏

スピーカーとして登壇したプラン・ジンバブエのジェンダー・アドバイザー、ティノテンダ・ホンド職員は、ジンバブエの教育の現状や課題について1980年のイギリスの植民地からの独立後、政府の重点的な教育投資により成人の識字率が97%とアフリカで2番目に高い水準にまで引き上げられた一方で、現在でも農村部での中途退学率が30%に上ること、国全体の小中学校の卒業試験合格率が18~22%と低い水準にとどまることなど、教育を充実させる一層の手立てが必要とされる現状を報告しました。

特に女の子は、貧しさのゆえに教育機会が閉ざされたり、隣国に両親が出稼ぎに出れば長女が家事の責任を任せられたりすることなど難しい環境にあると訴えました。その上で、ティノテンダ職員は、プランの支援で学校教育を受けた元チャイルドのジェケサイが大学に進学し、コミュニティの女の子たちの支援者として活躍している例をあげ、女の子の教育がアフリカの未来を切り拓く重要な要素となることを力説しました。

日本政府への提言


日本政府に堂々と提言をする高校生

アフリカの発展のためには、教育への支援、特に女の子の教育への支援が欠かせないことから日本の援助政策のあり方についての提言を行ないました。2013年に日本の教育政策援助の拡充の必要性を学ぶ「世界一大きな授業」に参加した662団体、58,418人を代表して、高校生5人が日本政府への提言を阿部俊子外務大臣政務官に託しました。

政府への提言は以下の4点です。
1. 教育援助に占める、基礎教育への援助の割合の増加
2. 貧困国への援助の増加
3. 技術支援に偏らない、財政支援の重要性
4. 教育のためのグローバルパートナーシップ基金への拠出の増加

これに対し、阿部政務官は「教育への支援を強化すべきという、皆さんの若い方々からの声、そしてアフリカからの声をしっかり受け止めてまいります。国づくりは人づくりであります。人づくりには教育が必要であります。貧困から抜け出すために、教育が必要であります。日本はODAをはじめとする国際貢献を着実に取り組んでまいります。」とメッセージを読み上げ、女の子への教育の重要性を国際社会にアピールするアクション、Raise Your Hand にも参加されました。

すべての子どもが学校に通えるために・・・日本政府の役割とは


阿部外務大臣政務官(中央)と参加者が一緒にRaise Your Handを実施しました

TICAD Vでの議論は、「横浜行動計画2013-2017」にまとめられました。その中に、「万人が成長の恩恵を受ける社会の構築」という柱が盛り込まれ、初等・中等教育、職業訓練へのアクセス、教育の質の向上が明記されました。

今後、日本政府にはアフリカ各国政府がすべての子どもに質の高い教育を提供できるように支援し、アフリカの発展を担う子どもたちが明るい未来を切り拓ける教育環境の整備に向けて、約束を確実に実行していくことが求められます。

国会議員のための世界一大きな授業

2013年5月7日(火)には、衆議院第二議員会館で「国会議員のための世界一大きな授業」を開催しました。国会議員25人(うち代理10人)、外務省、NGO関係者など合計61人が参加しました。国会議員が「生徒」役に、子どもたちが「先生」役となって授業を行うこのイベント。「先生」役は日頃から国際協力に取り組んでいる高校生5人が務めました。「先生」たちは立派に司会進行や先生役をこなし、創意工夫をこらした“ワールドマップ”というゲームを展開しました。これは、床に白いひもで一筆書きされた世界地図の上に、「世界の子どもの人口」、「世界の軍事費」、「学校に通っていない子ども」について世界での分布状況や規模をペットボトルのキャップの数量を使って一目で分かるように表現したものです。ゲームを通じて、市民の代表である国会議員に、途上国への教育支援の必要性を実感してもらい、日本の教育援助政策をよりよいものにしてもらうよう働きかけました。

授業の後には、スタディ・ツアーでフィリピンを訪れた高校生から、ストリートチルドレンの現状が報告され、「生徒」は熱心に耳を傾けていました。NGOからは教育分野の日本の政府開発援助(ODA)の量を増やし、より困難な立場にある子どもに届くように質を高めることの必要性を提言として伝えました。議員からは、「道路や公共施設建設などに偏りがちな途上国支援の形を変えていかなければ」といった感想が寄せられました。


ゲームを体験する国会議員

超党派の議員が参加

NGOから政府への提言

高校生と議員のみなさん

子どもたちによる授業をぜひ映像でご覧ください!
「国会議員のための世界一大きな授業」

子どもたちの感想