【報告】紛争下の教育を守るため、日本のユースが行っている活動

鈴木貴子議員に要望書を提出するユース

紛争の影響を受ける子どもたちの教育を守るため、大学生・高校生を中心とする日本のユースも国内でできる取り組みを続けてきました。

セーブ・ザ・チルドレンのユースチームは、2019年11月に発足し、「紛争下の子どもたちや教育を守ること」をテーマに活動をしています。これまでの活動についてご紹介します。

【紛争下の教育に関するイベントの実施】

ユースメンバーはこれまで、紛争下の教育に対してより多くの人に関心を持ってもらうため、対面およびオンラインのさまざまイベントを実施してきました。

2022年には、次のようなイベントを実施しました。
〇3月30日:「紛争下の教育を攻撃から守る」写真展&ワークショップの開催
〇5月3日から5日の「TBS世界を笑顔にする広場」でのブース出展
〇9月9日の教育を攻撃から守るための国際デーに行われたオンラインイベント「私たちの学校を攻撃しないで~紛争下の子どもたちの声をつなごう」への登壇
各イベントで配布された下記の資料もぜひお読みください。
「日本のユースと考える 紛争下の教育を守るために私たちにできること」

9月9日のオンラインイベントに参加した高校生からは、イベントに参加した感想として次のようなコメントがありました。
「紛争下の国・地域で学校教育に支障が出ていること自体は知っていましたが、学校の軍事施設化や校舎自体に対する攻撃など、これほど多くの形で子どもたちの教育が脅かされていることは今回新たに知ったことでした。
(今の社会は)多くのユースにとって、声を上げることが異質とされるような風潮で、なかなか自分から動き出すことができない現状があるように思います。その意味では、今回のようなイベントに参加して同年代のユースの活動を知ることはそのハードルを下げてくれると思いました。自分たちがこのような問題について発信することこそ、紛争下の教育をはじめとする諸問題に対して周囲の意識を高めるためにできることだと感じました。」

3月30日:「紛争下の教育を攻撃から守る」写真展&ワークショップの様子
5月3日から5月5日の「TBS世界を笑顔にする広場」でのブース出展の様子

【国会議員との意見交換】

これらのイベントの実施に加え、ユースメンバーは国会議員との意見交換にも積極的に取り組んできました。

2022年2月と3月には、公明党・立憲民主党・自由民主党の各青年委員会・青年局議員を訪問しました。意見交換では、紛争下の教育を守るため、ユースから紛争などの危機下の教育に優先的に資金配分を行う「教育を後回しにはできない基金(Education Cannot Wait:ECW)」への拠出と、学校を軍事目的で使用しないことを掲げた国際的な政治宣言「学校保護宣言」への賛同をお願いしました。(詳しくはこちら

その後、当時外務副大臣であった鈴木貴子議員へECWへの拠出に関する要望書をユースから提出しました。このような活動を通じ、鈴木貴子議員は2023年1月30日に行われた衆議院の予算委員会で、ECWについて岸田総理に質疑をされ、ユースの活動が少しずつ政策変化につながっていると感じています。

【同世代に向けたSNSでの発信】

またユースメンバーは、世界の教育の現状や、ユースの活動を同世代の若者に知ってもらうため、SNS(Instagram)を通じた発信を定期的に行っています。国内にいる多くの若者にとって「紛争下の教育」というテーマは、なじみが薄かったり、考える機会が少なかったりしたのかもしれませんが、高校生や大学生にも関心を持ってもらえるよう、工夫しながら発信を行っています。
現在実施中の「SDG4教育キャンペーン」についてもInstagramで発信をしているので、それぞれの発信を下記よりぜひご覧ください。
ユースメンバーInstagramアカウント:Will for Children

これらの活動は、多くの賛同者や協力者を増やすだけではなく、ユースチームのメンバー自身が紛争下の子どもたちの状況について理解を深めたり、教育の重要性について考えたりする機会となっています。
紛争下で起きていることを知り、それに対し日本に暮らす私たちができることを考えることは、想像力を働かせても難しい場合があります。しかし、日本に住んでいるユースでも、教育を守るためにできることがあると私たちは信じ、活動を続けています。

(セーブ・ザ・チルドレンインターン/ユースメンバー 菊地翔)

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