5月13日(土)【SDG4教育キャンペーン2023公開イベント~みんなで聞こう・語ろう 紛争下の教育×平和】を開催しました。

JNNE(教育協力NGOネットワーク)は、2023年5月13日(土)、【SDG4教育キャンペーン2023公開イベント~みんなで聞こう・語ろう 紛争下の教育×平和】を開催しました。イベントは会場・オンラインのハイブリット形式で行われ、約90名の学生・ユース、学校教育関係者、会社員などの一般の方々、またNGO・NPOスタッフが参加をしました。当日は、イベントの約3か月前(2月20日)から集められた「紛争下の教育×平和」をテーマとした1,000件以上のメッセージや作品によって作られたモザイク・アートのお披露目を行うと共に、紛争下の教育の現状について当事者から話を聞いたり、自分にできることや日本を含むG7各国に求めることについて考える時間を持ちました。

市民の方々からのメッセージや作品によって
完成したモザイク・アート
東京会場でのイベントの参加者とNGOスタッフ

イベントの冒頭では、まずユースの佐々木さんが、今回のイベントで発表されたモザイク・アートに込められた思いなどを説明しました。このモザイク・アートは世界中のすべての子ども達が、生まれた国や性別、障害の有無、経済状況や社会環境に関わらず、質の高い教育を受けられた時の様子を表現しています。残念ながら現状はこのような世界は実現されておらず、SDG4の達成のために、市民、G7に参加する主要各国が行動を起こすことが必要不可欠です。

次に、現在日本で難民として暮らすアフガニスタン出身で柔道家のラティファさんと、ウクライナ・マリウポリ出身で学校教員のアンナさんが、紛争によって影響を受けている当事者として、それぞれの国の様子を話されました。ラティファさんのアフガニスタンの女性が現在置かれている状況についての話しを受け、参加者から、「想像を絶する女性差別にショックを受けた」という声や、「ラティファさんの言葉の壁を超えて日本語で伝えたいという熱い思いが伝わった。時に言葉に詰まっていたが、そのことから、国を移動して新しいところで生活することの大変さを想像させられた。」といったコメントが寄せられました。

また、ウクライナのマリウポリで教員として勤務していたアンナさんからは、2014年ごろから戦闘が激しくなり、街に住むことに危険を感じることが出てきたこと、自身が教えていた学校が2022年には破壊されてしまったことなどについて説明がありました。 ウクライナでは、戦闘開始以降、3,000以上の学校が損壊・破壊され、現在も戦闘の深刻な影響が続き、多くの子どもたちが教育を受けられていません。一方、戦争が長期化していくなかでも、子どもたちの学びを中断させないために、リモートラーニングのための機器を提供したり、教員の再研修を行うことが必要であるという説明がありました。参加者からは、「ウクライナで子どもたちに起きていることが、数値や写真、体験を交えて語られ、心に迫るものがあり」、最も印象に残ったなどのコメントが寄せられました。

ラティファさん(アフガニスタン)のお話の様子
アンナさん(ウクライナ)のお話の様子
ユース・佐々木さんからのモザイク・アートの説明
ユース・春日さんからの呼びかけ

また、セーブ・ザ・チルドレン、ユース・チームの春日春希さん(大学2年生)からは、キャンペーンを通じて、「一人の学生としてまず始められること」について発表がありました。春日さんはユースの活動を始めてから数か月の間に、自分が想像していた以上に政治や社会問題に関心を持っている人がいることを知ったそうです。そして、「教育を後回し」にしない世界の実現には、すべての人が積極的に情報収集し、それを身の回りの人に共有し、意見をぶつけ合い、社会変化のためのアクションを起こしていくことが大切だと呼びかけました。春日さんの姿勢に対し、「気づきを得られた」、「私も見習おうと思います」などと参加者の方々も刺激を与えられたようです。

その他にも、鈴木憲和衆議院議員から寄せられたビデオメッセージに対し、「国会議員の方のなかでも、紛争下の教育について考えている方がいること」を知ったという声や、NGO職員によるミャンマーでの支援に関する説明に対しては、「同じアジア地域であるミャンマーも大変な状況であるのに、報道されないことに大きな違和感がある。」と、報道の在り方、そして難しさを考えさせられる感想も寄せられました。

SDG4教育キャンペーンは、紛争・戦争などによって教育がはばまれている世界各地の現状について人びとの関心を高めること、またG7各国に行動を促すことを目的として、JNNEに加盟する9つの実施団体によって進められてきたものです。2023年2月20日~4月30日まで約2か月の間、子ども・学生をはじめとする国内外の市民の方々より、1000件以上の「紛争下の教育×平和」テーマとしたメッセージや絵、写真、動画などの作品が寄せられ、それらをもとにモザイク・アートを作成しました。

このモザイク・アートとモザイク・アートに込められた市民の方からのメッセージや作品は、G7広島サミットに向け、日本政府関係者に届けられます。

(事務局:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)

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