「世界一大きな授業」とは?

「世界一大きな授業」は「持続可能な開発目標(SDGs)」の「ゴール4=教育目標」を達成するための世界規模のキャンペーンです。
世界100 か国以上の子どもたちと一緒に、教育について考える授業をしよう!

ギネス認定証
世界で885万人が参加した2008年の「世界一大きな授業」はギネス記録に登録されました。

現在、世界で小学校に通えない子どもは5,800万人、読み書きができない大人は7億8,100万人もいます。2015年9月に国連総会は、「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択し、2030年までにすべての子どもが質の良い幼児教育・初等教育・中等教育を受け、大人の識字率も大幅に改善することを新たな目標として掲げました。

「世界一大きな授業」とは、世界の教育の現状を世界中で同じ時期に学び、教育の大切さについて考えるイベントです。今年も世界100か国以上で開催し、参加者の声を各国政府に届け、教育政策に反映するように働きかけます。「すべての子どもに教育を」を合言葉に2003年にスタートし、2008年には885万人が参加、ギネス記録にも認定されました。日本でも2015年には72,463人が参加しました。

2016年も、世界中のNGOや教職員たちのネットワークを通じて、世界100カ国の小・中・高等学校や、大学、専門学校、各種団体などで、一斉に開催されます。また、今年からは新たに、授業を受けた若者が地元選出の国会議員に面会するなどして、日本の教育協力の改善を働きかける「Raise Your Voice!(レイズ・ユア・ボイス!=声をあげよう)」という活動への参加を呼びかけます。

「授業」に参加して学校に通えない子どもたちの現状を知り、日本の私たちにできることを考えてみませんか?

世界中の子どもたちも参加しています!

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パキスタン
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インド
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アフガニスタン
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ソマリア
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ガンビア
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デンマーク

どんな内容を学べますか?

教材のねらい

  1. 世界の教育の現状について知り、教育の大切さについて考えること。
  2. より良い世界のために活動する子どもたちがいることを知り、自分たちに何ができるか考えること。
  3. 日本の教育援助の現状を知ること。
  4. より良い教育政策の実現に向け、日本政府に政策提言すること。

内容 (実施の難易度:易しい ★~★★★ 難しい)

  • アクティビティ1:クイズ ★
  • アクティビティ2:識字(シミュレーション) ★
  • アクティビティ3:教育と資金(シミュレーション) ★
  • アクティビティ4:行動する子どもたちのストーリーを読もう(動画+読み物+意見交換) ★★
  • アクティビティ5:本当に必要な「教育援助」とは?(ロールプレイ) ★★★
  • アクティビティ6:首相・外務大臣に手紙を書こう(意見交換+文章表現) ★

授業の後にできるアクション

  • マララさんの呼びかけにこたえて国会議員に意見を伝える
    「Raise Your Voice!(レイズ・ユア・ボイス!=声をあげよう)」(政策提言) ★★★

教材について

「世界一大きな授業」は2003年から毎年実施しています。毎年参加してくださっている方や、普段から開発教育に取り組んでいる方からは「もう少し発展的なアクティビティがほしい」というご意見があり、初めて参加する方や、小中学生を対象とした方からは「楽しく、基本的な事柄を学べるアクティビティがほしい」というご意見をいただいています。教材は、自由にアクティビティを組み合わせて使っていただけるように作成しています。全部やらなくても大丈夫。授業の時間や対象者に合わせてご利用ください。

  • アクティビティ1は導入となります。すべての対象者に実施していただくのがおすすめです。
  • アクティビティ2、3、4は基本的なプログラムです。対象者やテーマに合わせて、3つの中から1つ以上を実施していただくのがおすすめです。
  • アクティビティ5はより深く、教育援助の質について考える発展のプログラムです。
  • アクティビティ6はまとめとなります。すべての対象者に実施していただくのがおすすめです。
  • さらに具体的な行動に移したい場合は、「Raise Your Voice!」にチャレンジしてください。
  • 対象:小学校高学年以上(アクティビティ5は高校生以上)
  • 時間:45分~(すべて実施すると4時限以上+αの時間が必要です)
  • 人数:20~40名のクラスルームでの実施を想定して作成しています。
  • 形式:参加型学習ですすめてください。
  • ワークシートや配布資料、パワーポイント資料は英語版も作成していますので、必要に応じてご利用ください。

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あなたの声を政府に届けよう

日本はもっと世界の子どもたちへの教育支援を!

SDGsのゴール4でも目指している「すべての子どもに教育を」は、どうしたら実現できるでしょうか…?

個人や民間団体による寄付や支援プロジェクトも効果がありますが、より重要なのは、国が教育に予算を充て、教員を養成し、質の良い、公平な教育の環境を整えること。つまり、「政策」を改善することです。

途上国政府は、教育予算を増やすよう、努力すること。日本も含む援助国は、教育援助-特に初等教育や女子教育、低所得国、紛争地域への援助を重視すること。そういった「政策」を実現させるためには、市民から、世界や国のリーダーたちに意見を述べ、提言することがとても大切です。

マララさんも映画『わたしはマララ』のエンドロールで「Raise Your Voice!(声をあげよう)」と呼びかけています。各地でリーダーたちに会い、「すべての子どもに教育を」と対話を重ねるマララさんのように、日本の子どもたちも首相や外務大臣といったリーダーや、市民の代表、つまり、国会議員に会い、声を届けることができます。

本教材では、「日本政府への政策提言」を最後のワークに加えています。また、今年の教材では一歩進んで、地元の国会議員に働きかけるアクションもご提案しています。日本の援助政策を決めるのは、日本政府。国会議員は変化を起こす大きな力を持っています。その国会議員を動かすのは、子どもたちも含めたわたしたち市民の声です。マララさんの呼びかけにこたえて「Raise Your Voice!」してみましょう。

国会議員に質問してみよう
Raise Your Voice!

「世界一大きな授業」に参加し、日本の教育援助について知った後に
自分の選挙区の国会議員に、国際協力や教育援助についての見解を聞いてみませんか?

昨年2015年は、初等教育の完全普及や成人識字率の50%の改善などを目標とする「万人のための教育(EFA)」目標の達成期限の年であるにもかかわらず、いまだに5,800万の子どもが小学校に通えず、7億8,100万人の大人が読み書きできません。

日本は先進国の一員として、この問題を解決するための責任がありますが、日本の政府開発援助(ODA)予算は減少傾向にあり、平成9年度の1兆1,687億円をピークに平成27年度はわずか5,400億円へと半減しました。一方、『外交に関する世論調査』(内閣府、2014年度)によると、「途上国に対して資金協力などの開発協力を日本がすべきである」と答えた人は80%に上り、国民の多くが途上国への開発協力を望んでいることが分かります。ODAの予算を増やし、国民が望む分野にODAを使うには、有権者の代表である国会議員から日本政府に働きかける必要があります。

マララさんも映画『わたしはマララ』のエンドロールで「Raise Your Voice!(レイズ・ユア・ボイス=声をあげよう)」と呼び掛けています。各地でリーダーたちに会い、「すべての子どもに教育を」と対話を重ねるマララさんのように、日本の子どもたちも市民の代表、つまり、国会議員に会い、声を届けることができます。

日本の援助政策を決めるのは、日本政府。国会議員は変化を起こす大きな力を持っています。その国会議員を動かすのは、子どもたちも含めたわたしたち市民の声です。

マララさんの呼びかけにこたえて「Raise Your Voice!」してみましょう。

Raise Your Voice!を実施するための5ステップ

① 仲間を募る!

1人でもいいけれど、できれば3人以上のチームをつくろう。
そして、アンケート用紙(Wordファイル)(44~45頁)をよく読んでアンケートの内容について理解しましょう。

② 国会議員を探す!

自分の選挙区を調べます(「東京○区」などの名前がついています)。
そして、その選挙区から選出された国会議員の名前を調べます。
衆議院議員と参議院議員の2種類あるので、複数の国会議員が見つかるはず!
議員事務所の連絡先を調べましょう。
東京の議員会館ではなく、地元にある議員事務所の連絡先を調べるのがポイントです。
衆議院議員一覧
参議院議員一覧

③ 議員事務所に連絡!

地元の議員事務所に電話で連絡をして直接会ってインタビューできるかどうか依頼します。
会えない場合は、ファクスまたはメールでの回答を依頼。
議員本人でなく、秘書の方が代理で対応してくれる場合もOK。

③ インタビュー実施!(会える!場合)

インタビューする前に、事前にアンケートをファクスかメールで送ります。
当日は、時間に遅れないよう事務所を訪問。
自己紹介をして、「世界一大きな授業」で学んだことや考えたことを伝え、インタビューを開始してください。終了したら、協力へのお礼を伝えましょう。
※アクティビティ6で書いた「手紙」も活用しよう

④ アンケート実施!(会えない!場合)

アンケートをファクスかメールで送ります。
(電話インタビューを実施してもOK)
お手紙(鏡文)で、自己紹介をして、「世界一大きな授業」で学んだことや考えたことを伝えてください。2週間以内に回答してもらいましょう。
回答が届いたら、協力へのお礼を伝えましょう。
※アクティビティ6で書いた「手紙」も活用しよう

⑤ 「世界一大きな授業」事務所へ報告!

回答を得たら、事務局にアンケートの回答のコピーややってみた感想をメールでお送りください。
インタビューの際に写真を撮れたら送ってください。
締切は6月30日(木)です。
Eメール:gce.japan.campaign@gmail.com

届いたアンケートは「世界一大きな授業」ウェブサイトに順次掲載していきます。
また、議員会館でおこなうロビイングにも反映させますので、お楽しみに!

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高校生による
「国会議員向け世界一大きな授業」

国会議員が「生徒」になり、高校生が「先生」になる「国会議員のための世界一大きな授業」を2010年より実施しています。2015年のイベントには、超党派で国会議員19人が出席。「生徒」たちは高校生先生の手作りによるゲーム形式の授業を通して、教育を受けられない子どもの数や援助の額の地政学的な偏りを学びました。

キャンペーンを主催するJNNEは、①日本からの途上国への援助は小学校などに対して少額なので、もっと増やすこと。 ②紛争後の混乱のある国や、より貧しい国への援助に力を入れること、③先生の給料を支援することで教育を受けられる子どもが増えること、④豊かな国の一つとして、国際社会が取り組むグローバルパートナーシップ基金(GPE)にもっとお金を出すことを提言しています。

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文字カードを使って途上国の教育現状を体験
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グループに分かれてワークショップスタート
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高校生と議員のみなさん

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世界一大きな授業は
2003年にスタートしました

2000年に開催された世界教育フォーラムで、日本を含む164の国が2015年までに世界中の子どもたちが小学校に行け、大人たちが字を読めるようになる環境を作る合意をしました。教育協力NGOネットワーク(JNNE)は世界のNGO、教職員組合と共に、各国政府が合意した目標が予定通り実行されるため、2003年から毎年「世界一大きな授業」を開催し、途上国の教育の現状を政府や市民に訴えてきました。

2003年、世界で200万人、日本では614人で始まった「世界一大きな授業」は、毎年規模を大きく拡大し2008年には世界で885万人が参加(ギネス認定)、日本でも2014年には約7万人が参加するほどにまでになりました。

2003年

「世界一大きな授業」女の子の教育

4月9日13時、17時、23時(日本時間)に世界で「女の子の教育」をテーマに、学校やグループで授業を実施。この企画は、前年にイギリスでの語学の授業がギネス登録されていた記録(28,801人)を塗り替えようというアイデアから始まりました。200万人が参加してギネスを更新。日本での参加は614人で、北海道から沖縄まで約30か所で行われました。

2004年

世界一大きな政治家への働きかけ

「世界で、学校にいるはずの1億1,500万人の子どもが行方不明」というメッセージを投げかけました。すべての子どもが学校に行けるように、世界の子どもとおとなが手を携えて政策決定者に求めるという取り組みです。

日本では「子ども国会」を開催。子どもとおとなで実行委員会をつくって「子ども議員」を募り、全国の小・中・高校生100人以上が、4月23日、東京の国連大学に集まりました。世界と日本の教育について2日間話し合い、問題点・理想・私たちにできること・日本政府にして欲しいことを意見書としてまとめ、国会議員、外務省、文科省に届けました。

●関連サイト 子ども国会

2005年

「学校へ友だちを送ろう」キャンペーン

「学校に行きたいのに、それが果たされない友だちがいる」「学校に行けるようにして欲しい!」と政府に求めるキャンペーンを実施。等身大の子どもの人形が世界中で作られました。日本では「おともだちパネルコンテスト」を開催。全国から46点が寄せられ、東京の子どもの城で展示するとともに、国会議員に働きかけを行いました。

2006年

「全ての子どもに先生を」キャンペーン

「もしあなたがこの文章を読めるのであれば、それはあなたが教育を受けられたから。」と語りかけるウェブ講座を開設しました。

2007年

教育の権利をみんなの手に!「世界一長い人間の鎖」

世界中の子ども、おとなとウェブ上で人間の鎖をつくるキャンペーンを実施。例えば、自分のアバターの右手はウクライナの女の子とつながれ、左手はブラジルの男の子とつながったのです。日本では、「学校に行きたい!体験すごろく」の貸出を実施。子どもたちが麻生太郎外務大臣と面談し、紙で作った人間の鎖と嘆願書を手渡しました。

くわしくは、こちら

●関連サイト 外務省

2012年

「世界一大きな授業」震災から見えてきた教育の大切さ 報告書表面(PDF)報告書中面(PDF)

2015年の教材は以下よりダウンロードできます。