「世界一大きな授業」とは?

質の高い教育をみんなに

「世界一大きな授業」は「持続可能な開発目標」の「ゴール4=教育目標」を達成するための世界規模のキャンペーンです。
世界100 か国以上の子どもたちと一緒に、教育について考える授業をしよう!

どんな内容を学べますか?

授業を実施される皆さまへ
「世界一大きな授業2017」公式教材の3つの特徴

「世界一大きな授業」公式教材は2003年のスタート時より毎年、リニューアルを重ねていますが、今年は特に3つの大きな特徴があり、また、本キャンペーンの目指すものを明確に打ち出した教材となっています。

  1. 世界の「教育目標」は「EFA」から「SDGs・ゴール4」へ
    2003年~2015年までの「世界一大きな授業」は、「EFA(Education For All/万人のための教育)」という教育目標達成のために実施してきましたが、2016年からは新しい目標である、SDGs・ゴール4を反映した内容となっています。 そのため、全体に、内容や解説、データが変更されています。毎年ご参加くださっている方も、各アクティビティに記載されている解説や資料を確認して、実施してください。

    EFA(2000~2015年)の目標

    すべての人に保障する教育の機会

    • 幼児教育
    • 初等教育(小学校)
    • 前期中等教育(中学校)
    • 成人識字

    SDGs・ゴール4(2015~2030年)の目標

    すべての人に保障する教育の機会

    • 幼児教育
    • 初等教育(小学校)
    • 前期中等教育(中学校)
    • 後期中等教育(高校)
    • 成人識字

    「質」の高い教育を保障するために、教員をさらに増やすことも目標にしています。

  2. 日本の教育問題も視野に-アクティビティ5
    「ちがいのちがい SDG4バージョン」

    「持続可能な開発目標」(SDGs)の特徴は、いわゆる「開発途上国」が達成すべき目標ではなく「日本を含む世界のすべての国々」が達成すべき目標であることです。
    ゴール4では、国が保障すべき基礎教育の定義が大幅に広がり、幼児教育、小中学校そして高校までが含まれました。待機児童が多すぎて保育園に通えない子どもたちや、経済的な理由で高校に通い続けることが難しい子どもたちは、まさにゴール4の対象になる子どもたちです。このように、「ちがいのちがいSDG4版」では、世界の課題だけでなく、日本にもある課題も紹介しています。より多くの人々が、SDGsを、そして、ゴール4を、自分たちに身近なものとして、捉えていくことを願っています。

  3. 見える!政策提言「Raise(レイズ) Your(ユア) Voice(ボイス)!」でフォト・アクション
    ゴール4で目指している「質の高い教育をみんなに」は、どうしたら実現できるでしょうか…?
    個人や民間団体による寄付や支援プロジェクトも効果がありますが、より重要なのは、国が教育に予算を充て、教員を養成し、質の良い、公平な教育の環境を整えること。つまり、「政策」を改善することです。
    途上国政府は、教育予算を増やすよう、努力すること。日本も含む援助国は、教育援助-特に初等教育や女子教育、低所得国、紛争地域への援助を重視すること。そういった「政策」を実現させるためには、市民から、世界や国のリーダーたちに意見を述べ、提言することがとても大切です。
    女子教育の重要性を訴え、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんも映画『わたしはマララ』のエンドロールで「Raise Your Voice!(声をあげよう)」と呼びかけています。各地でリーダーたちに会い、「すべての子どもに教育を」と対話を重ねるマララさんのように、わたしたちも声をあげることができます。

    本教材では、従来も「日本政府への政策提言」を加えていましたが、今年の教材では一歩進んで、その提言を持って写真を撮る、フォト・アクション(photo action)を呼びかけます。日本の援助政策を決めるのは、日本政府。国会議員は変化を起こす大きな力を持っています。その国会議員を動かすのは、子どもたちも含めたわたしたち市民の声です。わたしたちも、提言を掲げて「Raise Your Voice!」してみましょう。

    Raise Your Voice! フォトアクション用バナー
    (PDF 213KB)
    印刷してフォトアクションの際にお使いください。

教材のねらい

  1. 世界の教育の現状について知り、教育の大切さについて考えること。
  2. より良い世界のために活動する子どもたちがいることを知り、自分たちに何ができるか考えること。
  3. 日本の教育援助の現状を知ること。
  4. より良い教育政策の実現に向け、日本政府に政策提言すること。

アクティビティについて  易しい ★~★★★ 難しい

アクティビティ 内容 対象 所用時間 実施の難易度
導入 1 クイズ 小学生~大人 15分
基本 2 識字(対象年齢別の2種類) 小学生~大人 30分
3 教育と資金 小学生~大人 30分
4 行動する子どもたちのストーリー&動画 小学生~大人 30分
発展 5 ちがいのちがい SDG4バージョン 中学生~大人 45分 ★★
6 本当に必要な教育援助とは? 高校生~大人 50分 ★★★
まとめ 7 首相・外務大臣に手紙を書こう 小学生~大人 45分
授業の後のアクション 見える!政策提言「Raise Your Voice!」 小学生~大人
  • アクティビティ1は導入となります。すべての対象者に実施していただくのがおすすめです。
  • アクティビティ2、3、4は基本的なプログラムです。対象者やテーマに合わせて、3つの中から1つ以上を実施していただくのがおすすめです。
  • アクティビティ5は、日本の教育にも目を向け、SDG4を理解をするための発展のプログラムです。
  • アクティビティ6はより深く、教育援助の質について考える発展のプログラムです。
  • アクティビティ7はまとめとなります。すべての対象者に実施していただくのがおすすめです。
  • 事後に行動に移したい場合は、見える!政策提言「Raise Your Voice!」にチャレンジしてください。
  • 対象:小学校高学年以上(アクティビティ5は中学生、6は高校生以上)
  • 時間:45分~(すべて実施すると4時間以上+αの時間が必要です)
  • 人数:20~40名のクラスルームでの実施を想定して作成しています。
  • 形式:参加型学習(アクティブ・ラーニング形式)ですすめてください。

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高校生による
「国会議員向け世界一大きな授業」

国会議員が「生徒」になり、高校生が「先生」になる「国会議員のための世界一大きな授業」を2010年より実施しています。2015年のイベントには、超党派で国会議員19人が出席。「生徒」たちは高校生先生の手作りによるゲーム形式の授業を通して、教育を受けられない子どもの数や援助の額の地政学的な偏りを学びました。

キャンペーンを主催するJNNEは、①日本からの途上国への援助は小学校などに対して少額なので、もっと増やすこと。 ②紛争後の混乱のある国や、より貧しい国への援助に力を入れること、③先生の給料を支援することで教育を受けられる子どもが増えること、④豊かな国の一つとして、国際社会が取り組むグローバルパートナーシップ基金(GPE)にもっとお金を出すことを提言しています。

国会議員の参加人数:5名(ほか、代理:6名)
高校生8名が「先生」となり、国会議員を「生徒」として迎えました。

高校生が国会議員のために行った授業の様子はYouTubeでご覧いただけます。

写真1

2016年の司会と先生の高校生

写真2

授業は先生が見てきた
フィリピンの話からスタート

写真3

生徒のみなさんが
文字を読めない恐ろしさを体験

写真4

ODAと基礎教育のワークショップ

写真6

先生から日本の教育援助への
政策提言を行いました

写真6

授業を担当した高校生と
参加された議員のみなさん

世界一大きな授業は
2003年にスタートしました

2000年に開催された世界教育フォーラムで、日本を含む164の国が2015年までに世界中の子どもたちが小学校に行け、大人たちが字を読めるようになる環境を作る合意をしました。教育協力NGOネットワーク(JNNE)は世界のNGO、教職員組合と共に、各国政府が合意した目標が予定通り実行されるため、2003年から毎年「世界一大きな授業」を開催し、途上国の教育の現状を政府や市民に訴えてきました。

2003年、世界で200万人、日本では614人で始まった「世界一大きな授業」は、毎年規模を大きく拡大し2008年には世界で885万人が参加(ギネス認定)、日本でも2014年には約7万人が参加するほどにまでになりました。

2003年

「世界一大きな授業」女の子の教育

4月9日13時、17時、23時(日本時間)に世界で「女の子の教育」をテーマに、学校やグループで授業を実施。この企画は、前年にイギリスでの語学の授業がギネス登録されていた記録(28,801人)を塗り替えようというアイデアから始まりました。200万人が参加してギネスを更新。日本での参加は614人で、北海道から沖縄まで約30か所で行われました。

2004年

世界一大きな政治家への働きかけ

「世界で、学校にいるはずの1億1,500万人の子どもが行方不明」というメッセージを投げかけました。すべての子どもが学校に行けるように、世界の子どもとおとなが手を携えて政策決定者に求めるという取り組みです。

日本では「子ども国会」を開催。子どもとおとなで実行委員会をつくって「子ども議員」を募り、全国の小・中・高校生100人以上が、4月23日、東京の国連大学に集まりました。世界と日本の教育について2日間話し合い、問題点・理想・私たちにできること・日本政府にして欲しいことを意見書としてまとめ、国会議員、外務省、文科省に届けました。

●関連サイト 子ども国会

2005年

「学校へ友だちを送ろう」キャンペーン

「学校に行きたいのに、それが果たされない友だちがいる」「学校に行けるようにして欲しい!」と政府に求めるキャンペーンを実施。等身大の子どもの人形が世界中で作られました。日本では「おともだちパネルコンテスト」を開催。全国から46点が寄せられ、東京の子どもの城で展示するとともに、国会議員に働きかけを行いました。

2006年

「全ての子どもに先生を」キャンペーン

「もしあなたがこの文章を読めるのであれば、それはあなたが教育を受けられたから。」と語りかけるウェブ講座を開設しました。

2007年

教育の権利をみんなの手に!「世界一長い人間の鎖」

世界中の子ども、おとなとウェブ上で人間の鎖をつくるキャンペーンを実施。例えば、自分のアバターの右手はウクライナの女の子とつながれ、左手はブラジルの男の子とつながったのです。日本では、「学校に行きたい!体験すごろく」の貸出を実施。子どもたちが麻生太郎外務大臣と面談し、紙で作った人間の鎖と嘆願書を手渡しました。

くわしくは、こちら

●関連サイト 外務省

2012年

「世界一大きな授業」震災から見えてきた教育の大切さ 報告書表面(PDF)報告書中面(PDF)

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